fc2ブログ
123456789101112131415161718192021222324252627282930
個別記事の管理2015-10-30 (Fri)
1992年5回目の香港訪問では、中秋節を見る事ができた。

旧暦の8月15日は中秋節と呼ばれ、民間でにぎやかに

祝われるお祭りなのだ。

この年は新暦の9月11日だった。

中秋の夜の満月が最も丸く、最も美しいと信じられている。

したがって、中秋の晩のお月見は欠かせない。

『丸い』(圓・ゆん)という言葉は、家族団らん(圑圓てゅんゆん)

にも繋がるので、故郷を離れている人達は月を見て、

故郷を思う。

中国では昔から多くの著名な詩人たちが中秋節のその様子を歌っている。



中秋節にまつわる神話は沢山有る。

その中から「嫦娥奔月(しょーんおーぱんゆっ)」のお話を紹介しましょう。



月に上がった嫦娥

その昔、天には太陽が10個もあり、それに照らされ大地は枯れ果て、

農民は苦しめられていました。

そこで弓矢の名人、后羿(はうあい)は9つの太陽を射落とし、農民たちを救ったのでした。

彼の妻、嫦娥(しょーんおー)は美しい優しい女性でした。

人々は非常に彼ら夫婦を尊敬し、大事に扱うようになりました。

ある時、一人の道士(道教の僧)が后羿(はうあい)に不老長寿の、天に昇って

仙人になれるという薬・仙丹(しんだーん)を贈りました。

けれども、后羿(はうあい)は妻や他の人々の元を去る気になれず、

その薬を嫦娥(しょーんおー)に渡し保管させてのです。

しかし、后羿(はうあい)が狩りに出かけたある日、弟子の蓬蒙(ふおんもん)が仙丹(しんだーん)を

差し出すように嫦娥(しょーんおー)に迫り、彼女は仙丹(しんだーん)を渡すまいと

それを飲み込んでしまったのです。

すると彼女は天に昇り、月まで飛んで行ってしまいました。

この時から、美しい嫦娥(しょーんおー)は月の中の宮殿で独りぼっちで住む事になり、

「月宮仙子(ゆっごーんしんじい)」(月の宮の仙女)といわれる様になったのです。

后羿(はうあい)はこの事を知るととても悲しみ、嫦娥(しょーんおー)のために彼女の好きなものを

月に向けてお供えして、彼女を慰めようとしました。

これから始って中秋節の晩には、果物や月餅(げっぺい)をお供えするようになったのです。

「月に嫦娥(しょーんおー)がいる」、このロマンティックな伝説は、人類が月に行くようになって

破られてしまいました。

けれども、数千年の間このロマンは多くの詩人を魅了し、彼らの霊感を

刺激し続けたのです。

今でも人々はお月見の時にはロマンチックな気分になりますし、今でも多くの老人達が

この伝説を信じています。
(ステップイン香港・1990年10月号より引用)




中秋節のお菓子・月餅(げっぺい)
中秋節のお菓子・月餅(げっぺい)





中秋の晩は家族がみんな集まり、夕飯に御馳走を取ります。

その後、提灯に明かりをともし、家の中に下げたり、提灯を持って子供と一緒に

空き地に出掛けて行って遊んだりします。

そうして月餅や果物を食べ、お月見をするのです。

また中秋の晩は、市政局の主催で香港中の多くの公園で、

綵燈会(ちょいだんうい】と呼ばれる、飾り付けられた提灯の展示や、

歌や踊りまである催しが開かれます。

無料で参加出来るので、多くの市民がやって来てそれは賑やかです。


中でも香港島の銅羅彎(とんろーわん)(コーズウェイベイ)にある

維多利亜公園(ビクトリアパーク)で開かれる物は盛大。

人々は歌や踊りを見たあと、持ってきた提灯や月餅、そして果物を持って公園の草地に座り、

ろうそくをつけて皆でお月見をします。

中秋節とその翌日の晩は、公園は綺麗な提灯と人々でいっぱい。

草地の上のろうそくの光が、提灯の光そして天に輝く満月と相まって、

それはそれは暖かで美しい風景になります。




香港・中秋節①ー1
香港・中秋節




香港・中秋節②-1
香港・中秋節




家からビクトリアパークは近かったので、夫と出掛けた。

ろうそくの無数の柔らかい光が何とも幻想的だった。

もし、中秋節に香港に行かれたなら、是非公園に出掛けて見ては如何でしょうか。

日本では見る事の出来ない光景を楽しむことができると思う。



5度目の香港(1992年9月)中秋節②-1
香港(1992年9月)中秋節(ビクトリアパーク)




5度目の香港(1992年9月)(中秋節)③-1
香港(1992年9月)(中秋節)(ビクトリアパーク)




香港の人々の中秋節の過ごし方(写真提供:森山正明さん)
香港の人々の中秋節の過ごし方(写真提供:森山正明さん)




ご訪問有難う御座います。
お帰りにポチッとお願いします。
にほんブログ村 シニア日記ブログ 70歳代へ
にほんブログ村
スポンサーサイト



* Category : 海外生活
* Comment : (0) * Trackback : (0) * |
コメント







管理者にだけ表示を許可する